駅周辺に集まる健康と生活の選択肢
昭島駅周辺を歩いていると、以前とは少し違った街の姿が見えてくる。
まず目につくのは、駅近辺にさまざまな施設が集まっていることだ。
昭島駅南口のロータリーから200メートルほどの範囲には、ピラティスやヨガスタジオ、パーソナルジム、チョコザップ、カーブスなど、身体を動かすための施設が集中している。
鍼灸や整体についても、個別の施術や時間をかけた対応を重視する形態の店舗が見られる。
カーブスでは、オープン前から20人ほどが並んでいた。少なくとも、その光景からは、地域にこうした施設を利用しようとする人がいることがうかがえる。
また、これらの施設の宣伝を眺めていると、ダイエットや筋力アップだけでなく、「動きの健康」といった、日常生活における身体の機能を意識させる言葉も目につく。
実は、この「動きの健康」という考え方は、私のお店でも大切にしてきたコンセプトである。
美容整体や骨盤矯正というイメージが強い地域の中で、あえて別の方向から打ち出したものだった。それだけに、街の中で似た方向性の言葉を見かけるようになったことには、複雑な思いもある。
ただ、それは後で触れるとして、まずは街そのものの変化を見ていきたい。
駅の近くで進む開発。その一方で変わらない場所もある
昭島駅周辺では、住宅の建設も目につく。
駅から徒歩2分ほどの範囲では、比較的狭い土地に新築の賃貸マンションが建つ一方、敷地に余裕のある場所では、一棟貸しに近い広さの新築住宅が見られる。
また、ゲーテッド型の集合住宅や賃貸マンションの建設が進む一方で、既存の賃貸マンションには空室が目につくところもある。
駅から近いあまり古さを感じさせない賃貸マンションも空き室が目立つ。
新しい住宅が増えているからといって、すべての住宅需要が一様に強いとは限らない。そんなことも考えさせられる光景だ。
駅周辺には、建設中の有料老人ホームもある。そこから少し離れた場所には、やや高級感のある有料老人ホームも見られる。
その一方、あいぽっくより東側に目を向けると、目立った変化はあまり感じられない。空き地はあるものの、私が見た範囲では、駐車場として利用されることになりそうな場所もあった。
中神駅についても、北口・南口ともに、コロナ禍初期の頃と比べて大きく変わったという印象はない。
もちろん、これは私が実際に歩いて見た範囲での感想であり、地域全体の開発状況を調査した結果ではない。それでも、駅周辺とその外側とで、街の動き方に違いがあるように感じられる。
住まいの選択にも違いが表れている
住宅についても、地域ごとに異なる傾向が見えてくる。
私の印象では、広い土地に建つ一戸建ては朝日町交差点より東側に多く、マンションは昭島駅北側と八高線より西側で目につく。
賃貸住宅については、中神駅周辺では職場への通勤のしやすさを重視したマンションが、引き続き選択肢になっているように見える。
一方、昭島駅から電車で通勤する若い世代については、駅前の賃貸マンションだけでなく、繁華街から少し離れた一棟貸しの住宅や、ゲーテッド型の3LDK集合住宅も、暮らし方の選択肢になっているのではないかと感じる。
もちろん、実際にどの住まいがどの世代に選ばれているのかは、入居者の年齢や契約状況を確認しなければ断定できない。
ただ、駅への近さだけでなく、住宅の広さや独立性、周辺の生活環境も含めて住まいを選ぶ人がいるとすれば、昭島駅周辺の住宅の多様化は、そうしたニーズとも関係しているのかもしれない。
ここで気になるのが、高齢者の住まい方である。
高齢者にとって駅に近い街は暮らしやすいのか
高齢になっても働き続ける人が増えていくとすれば、住まいを選ぶ際にも、通勤や移動のしやすさが重要になるだろう。
また、仕事を引退した後であっても、買い物や通院、趣味の活動など、日々の暮らしに必要な移動はなくならない。
そう考えると、駅に近く、生活に必要な施設がまとまっている街には、高齢者にとっても一定の利点があるのではないだろうか。
特に昭島駅周辺は、私の印象では、都市部のような利便性をある程度備えながら、都心の繁華街とは異なる落ち着きも感じられる場所だ。
車での移動や駐車のしやすさだけを考えるなら、また違った地域が候補になるかもしれない。しかし、電車や徒歩で日常生活を送ることを重視するなら、昭島駅周辺は検討する価値のある地域だと思う。
実際、昭島市は2020年9月30日付の読売新聞朝刊に掲載された「住みよさランキング2020」の「快適度」部門で、全国812自治体中1位に選ばれている。
もちろん、2020年時点の順位が現在の評価をそのまま表すわけではない。しかし、私が長年この地域を見てきたなかで感じている暮らしやすさを考えるうえでは、新聞に掲載されたランキングは、実に興味深い材料の一つだと思う。

そのランキングの影響もあったのだろうか、そうでないのか今のところはわからないが、少々気になる現象が出現してきている。それは、駅近くに建設される有料老人ホームの存在だ。
これまで私が見てきた高級有料老人ホームは、比較的ゆとりのある住宅街やちょっとした自然環境に隣接する場所にあるという印象が強かった。
しかし、これからの高齢者向けの高級住宅は、必ずしも自然が豊かな大きな公園や緑のある閑静な住宅街の近くにあることだけが価値になるわけではないのかもしれない。
駅に近いこと。日常の買い物がしやすいこと。外出先を自分で選べること。そして、必要なサービスを自分の意思で利用できること。
こうした条件も、高齢層のこれからの住まい選びでは重要になっていくのではないだろうか。
豪華な施設を備えることが、本当に豊かな暮らしなのか
高級な有料老人ホームと聞くと、どのような施設を思い浮かべるだろうか。
高級レストランのような食堂、洗練された女性スタッフによるコンシェルジュサービス、飽きさせないための多彩なアクティビティ、大浴場やサウナ、トレーニングジム。
まるで豪華客船で暮らすように、毎日を楽しめる環境である。こうした設備やサービスに魅力を感じる人は、もちろんいるだろう。施設内で生活の大半が完結することには、安心感や利便性もある。
ただ、設備が充実していることと、毎日の暮らしが豊かであることは、必ずしも同じではないのではないか。
人は、同じ場所で同じことを繰り返していれば、どれほど快適な環境であっても、やがて飽きてしまうことがある。多彩なアクティビティ、大浴場やサウナがあれば、それだけで満足できるのだろうか。
多摩地域には自然の景観を楽しめるサウナ併設の天然温泉があり、隣接する県には、源泉100%かけ流しの温泉を楽しめる場所もある。
施設内の食堂も同じだ。毎日、決められた場所で食事をするより、気分に合わせて外食を楽しんだり、自分の好みに合う店を探したりすることに魅力を感じる人もいるだろう。
食事にこだわる人なら、手作りの料理やオーガニック食材を使った店を探すかもしれない。身体を鍛えたい人なら、施設内のジムだけでなく、ヨガやピラティス、パーソナルトレーニングなどを試してみたいと思うかもしれない。
もちろん、こうした外部のサービスを自由に利用するには、本人の身体状況や移動手段、費用などの条件も関係してくる。
それでも、施設の中にあらゆる設備をそろえることだけが、暮らしの豊かさにつながるわけではないと思う。
むしろ、街の中にさまざまな選択肢があり、その日の気分や自分の好みに合わせて、行きたい場所や利用したいサービスを選べること。
それ自体が、暮らしの楽しさになるのではないだろうか。
人はすべてを任せたいわけではない
もう一つ、私が考えていることがある。
人は、誰かに手伝ってもらいたいと思う一方で、自分でも何かをやりたいと思っているのではないだろうか。
身体のケアであれば、専門家に任せたい部分がある。しかし、自分でも運動をしたいし、自分に合った方法を探したい。
ただし、何もかも自分だけで判断するのは難しい。失敗したくないし、できれば効率よく、自分に合った方法を見つけたい。
そこで必要になるのが、自分の意思を尊重しながら、適切な方向へ導いてくれる専門家の存在である。
ヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニング、ボディメイク。それぞれに特徴があり、指導者によっても考え方や相性は異なる。
だからこそ、いくつかの選択肢を比較し、自分に合うものを選びたいという気持ちが生まれるのではないだろうか。
すべてを一つの施設に任せるのではなく、必要なときには専門家の力を借りながら、自分の暮らしは自分で組み立てていく。
そんな生活を望む人にとって、駅の近くに多様なサービスが集まる街は、暮らしやすい場所になり得る。
もしかすると、昭島駅周辺で進んでいる変化は、単に店舗や住宅が増えているというだけではなく、暮らしの選択肢が広がっていることの表れなのかもしれない。
これから人気が出るのは暮らしのすべてが徒歩圏内で完結する駅なのかもしれない
私は、繁華街として大きく発展した駅と、実際に暮らす場所として魅力のある駅は、必ずしも同じではないと思っている。
大きな繁華街は、休日に買い物や食事を楽しむために出かける場所としては魅力的だ。しかし、毎日の生活の拠点として考えたとき、必ずしもそこに住むことが最善とは限らない。
特急が停車するような大きなターミナル駅には、駅直結のデパートや高級志向の食品スーパーがあり、仕事帰りの買い物にも便利だろう。
ただ、こうした商業施設は、必ずしも日常の食料品や生活用品を手頃な価格で幅広く購入するための環境が充実しているとは限らない。
会社員であれば、買い物の時間は仕事帰りに集中しやすい。特売品や値引き商品を狙って購入するにも、帰宅時間との兼ね合いがある。物価上昇が続くなか、日々の食費を抑えたい人にとって、利用できる時間帯や店舗の選択肢が限られることは、家計にも影響するだろう。
一方、郊外の大型ショッピングモールには豊富な専門店や飲食店がそろっているものの、駅から離れた場所に立地する施設も多く、自動車での来店が中心になりやすい。
若い世代や現役世代には便利でも、運転免許を返納した高齢者にとっては、日々の買い物が公共交通機関の利便性に左右されることになる。
では、昭島駅より西側に位置する福生駅周辺はどうだろうか。
駅前に大手スーパーがあれば、日常の買い物には便利だろう。
ただ、私が考える理想的な街の条件は、スーパーがあるだけでは満たされない。専門店街や飲食店が集まる場所があり、食事も買い物も、気分や目的に合わせて選べることが重要なのだ。
駅前の選択肢が限られ、外食や日用品の買い物にロードサイドの店舗を利用する機会が多ければ、どうしても自動車への依存度は高くなる。
もちろん、これは各駅周辺のすべての店舗や交通事情を調査したうえでの評価ではなく、私が街を歩いて感じた違いである。それでも、大きなターミナル駅と郊外の駅とでは、日常生活の利便性の質が異なるように感じる。
そして、その両者の中間に位置する街として、私が注目しているのが昭島駅周辺である。
昭島駅周辺の魅力は、単に駅前に商業施設があることではない。日常的に利用できるスーパーがあり、外食を楽しめる飲食店があり、専門店があり、さらに身体のケアや運動のための施設も集まっている。
駅前にはモリタウンがあり、そのほかにも周辺地域には大型商業施設が点在している。日常の買い物から休日のショッピングまで、目的に応じて行き先を選べる環境がある。
また、近隣地域も含めればオーケーストアやイトーヨーカドー、イオンスタイル、ヤオコー、ロピア、コストコなど、普段使いできるスーパーを使い分けられることも、生活者にとっては魅力だろう。
特定の店舗だけに頼らず、価格や品ぞろえ、買いたい商品に応じて選べることは、日々の家計を考えるうえでも意味がある。
住まいの周辺には落ち着いた住宅地が広がり、駅前には日常の買い物に便利なスーパーや飲食店、専門店が集まっている。いわば、ニュータウン的な住環境と、駅前の商業利便性が両立している街である。
高級な専門店ばかりが並ぶ必要はない。日常的に利用できる価格帯でありながら、品ぞろえが充実し、食料品から生活用品まで買い物ができる。
そして、気分に合わせて外食や専門店巡りも楽しめる。そんな、少しゆとりのある会社員世帯にも使いやすい、庶民的でありながら利便性の高い商業環境が理想的なのではないだろうか。
さらに重要なのは、こうした日常生活の用事を、駅からでも、自宅からでも、徒歩や自転車で済ませられることである。
買い物に行く。食事をする。身体のケアを受ける。運動をする。趣味を楽しむ。必要な用事を済ませるために、毎回、車を出したり、遠くまで移動したりする必要がない。
そうした環境であれば、年齢を重ねても、暮らしの自由度を保ちやすいのではないかと思う。
もちろん、徒歩圏内に施設がそろっているだけで健康が維持できるわけではない。しかし、日々の買い物や外出そのものが身体を動かす機会になり、必要に応じて運動施設や施術院を利用できる環境は、健康を意識しながら暮らすうえでも魅力的だろう。
昭島市は、自然との距離が近いことも特徴だ。多摩川や玉川上水、雑木林など、日常の散歩や休日の気分転換に利用できる自然環境がある。少し足を延ばせば、湖や渓谷、温泉などを楽しむこともできる。
さらに、昭島の水道水は100%深層地下水。蛇口から天然水が飲めるという珍しい都市で、特別な意識を持たなくてもエコで健康的な暮らしを実現できます。さらに直売所やファーマーズマーケットでは新鮮で安全なオーガニック野菜や食材も手に入るので、食の安心も日常に。
毎日使う水や、地元の農産物を購入できる直売所など、普段は意識しにくい生活環境も、長く暮らす街を選ぶうえで考えておきたい要素である。
若い世代にとっては通勤や買い物が便利であり、高齢者にとっては、車に頼りすぎずに日常生活を続けられる。家族構成や年齢が変わっても、住み慣れた街で暮らし続けやすい。そんな街には、長く住むことの価値が生まれるのではないだろうか。
繁華街の規模や駅の知名度だけではなく、住環境の落ち着き、買い物の便利さ、外食や健康サービスの選択肢、自然との距離、そして日々の生活を徒歩や自転車で組み立てられること。
これらがバランスよくそろった駅こそ、これから住む場所として人気が高まっていくのかもしれない。
そう考えると、昭島駅周辺で見られる住宅や商業施設、健康関連施設の集積も、単なる街の変化としてではなく、これからの暮らしやすさを考える材料として捉えられるのではないだろうか。
そして、街の中で見つけた意外な共通点
ここまで街を歩いてきて、私にはもう一つ、気になることがあった。
それは、健康や身体づくりを扱う店舗のコンセプトである。
以前の整体といえば、骨盤矯正や姿勢改善、ダイエットといった言葉が前面に出ることが多かった。
ところが、昭島駅南口周辺を見ていると、単に筋力をつける、体重を減らすという話だけではなく、日常生活の中で身体を動かしやすくすることや、動きそのものの健康を意識させる表現が目につく。
これは、私にとって少々複雑な光景でもある。
というのも、私自身、地域で一般的になった美容整体や骨盤矯正とは異なる方向性を打ち出そうと考え、10年以上も前から「動きの健康」をお店のメインコンセプトとしてきたからだ。
流行している言葉をそのまま使うのではなく、地域の中で自分の店がどのような役割を担えるのかを考えたうえで、たどり着いた考え方だった。
それだけに、街の中で似たコンセプトを見かけると、思わず「おいおい、それは私が大切にしてきた考え方なのだが……」と言いたくなる。
もちろん、似た言葉を使っているからといって、私のコンセプトをそのまま模倣したと断定することはできない。健康や運動を扱う業界全体で、関心の方向が変化している可能性もある。
ただ、かつては骨盤矯正のイメージが強かった地域で、身体の動きや日常生活の質に目を向ける店舗が見られるようになったことは、私にとって興味深い変化である。
そして、それは先ほど考えた、高齢者の住まい方ともつながっている。
年齢を重ねても、自分の足で出かけ、好きな場所を訪れ、自分に合ったサービスを選びながら暮らしたい。
そのためには、単に筋力をつけることや体重を減らすことだけでなく、日常生活の中で身体を動かし続けられることも大切になる。
そう考えると、街の中に運動施設や施術院が集まり、さまざまな健康サービスを選べるようになることには、住宅の利便性とはまた違った意味があるのかもしれない。
昭島市は選びながら暮らせる街になっていくのだろうか
今回、昭島駅周辺を歩いて感じたのは、住宅や店舗の変化だけではない。
駅の近くには、住まいがあり、健康を支える施設があり、日々の暮らしを楽しむための選択肢が集まりつつある。一方で、駅から少し離れた地域では、以前とあまり変わらない景色も残っている。
街全体が一様に変化しているわけではないからこそ、どこに住み、どのような施設を利用し、どんな暮らしを送りたいのかによって、昭島市の中でも選ぶ場所は変わってくるのだろう。
例えば、子育て世帯なら、通勤の利便性を保ちながら、少し時間があれば、山林、里山、湖、渓谷があり、すぐに自然と触れ合える環境や、日常の買い物を効率よく済ませられる立地に魅力を感じるかもしれない。
子どもにとっては、遊びながら学べるフィールドが身近にあります。市内の保育所は充実しており、モンテッソーリ教育を取り入れる園も多いので、のびのびと学び遊べる環境が整っている。
近隣の立川や八王子なども含めて仕事の選択肢を広げられることは、共働きの家庭にとっても検討材料になるだろう。
単身者であれば、仕事帰りに買い物を済ませ、休日は自然の中でリフレッシュ。多摩川沿いをジョギングしたり、バイクや自転車でツーリング、渓流釣りをしたり、天然温泉に入ったり、鉄道を使ってハイキングに出かけたり。
もちろん、コンサートやフェスにでも、と思えば、直通電車30分ほどで都心に行けてしまえる。
ちょっと地ビールでも飲みたくなったら、隣の市に歴史的な酒蔵がある。上等なワインを調達したければ、片道1時間もあれば名産地に直行できる。
また、中央道と圏央道のインターチェンジがすぐ近くにあるので、海水浴、本格的な高原レジャーにスキー、数々の有名温泉地へもドアツードアで2時間もあれば悠々といけてしまえる。
思い立ったときにアクティブに動ける、自分の時間を組み立てやすいことが魅力になる。
移動や買い物にかかる時間を抑えられれば、その分を趣味や友人との交流に充てることもできる。
そして、シニア世帯にとっては、日常の買い物や散歩を楽しめる環境に加え、医療機関へアクセスしやすいことも大切な条件になる。
私が設定した昭島駅周辺から半径15kmの範囲で調べたところ、三次救急病院が4施設、二次救急病院が7施設ある。災害医療センター、市立青梅総合医療センター、東京医科大学八王子医療センターなど、高度な救急医療を担う施設が周辺にあることも、この地域の特徴だ。
もちろん、医療機関の数だけで医療の質や受診のしやすさが決まるわけではない。それでも、日常生活を送る場所の近くに、こうした医療機関が複数存在することは、子育て世帯から高齢者まで、長く暮らす場所を選ぶうえで重要な要素になるのではないだろうか。
車に頼りすぎず、住み慣れた地域で外出や交流を続けられることは、年齢を重ねた後の暮らしを考えるうえで無視できない。
もちろん、実際の暮らしやすさは、住む場所や身体状況、家計、交通手段などによって異なる。昭島市のどこに住んでも、同じ利便性を得られるわけではない。
それでも、住まいの選択肢と日常生活のサービスがある程度、市の中心的な駅からすぐ近くにまとまっていることには、街としての強みがあるように感じる。
高齢者にとっても、若い世代にとっても、暮らしやすさは単純に駅からの距離や住宅の広さだけでは決まらない。
必要なものをすべて施設の中にそろえる暮らし方もあれば、街の中にあるサービスを自分で選び、自由に組み合わせる暮らし方もある。
どちらが優れているという話ではない。
ただ、これからの暮らしを考えるうえでは、住まいそのものの設備だけでなく、そこから歩いて行ける場所に何があるのか、どんな選択肢が用意されているのかという視点も、もっと重視されてよいのではないだろうか。
昭島駅周辺は、そうした暮らし方を考えるうえで、なかなか興味深い街になってきたように感じる。
そして、街の変化を眺めていると、私自身が長年大切にしてきた「動きの健康」という考え方についても、改めて考えさせられるのである。
