階段を上がる時に「うっ!」と思わずしゃがみ込みそうになる股関節痛の説明をします。股関節の痛みは他の部位と違って、鋭利な刃物で刺されるような、といった瞬間的激痛を表現されることが多いです。何の対処もぜず放置すると、一歩踏み出す度にズキッとカクッと力が抜ける、ベッドから起き上がれない、寝返りを打つたびに激痛が走ることも多いため、睡眠不眠が続いて割と短期間で身体が弱って日常がままにならないと訴える事態に陥る場合もあるようです。
股関節が開かない、痛みがある場合の病態と原因
病態について
初期の症状 |
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特定の動作をした時だけ痛い、同じ姿勢を続けていると徐々に痛み出してくるという具合です。 または、休めば痛みが消える程度のものです。 ◆立っていると座りたくなってくる ◆荷物の持ち運びで徐々にジワーと鼡径部が痛くなってくる など |
中期の症状 |
動作を変える度にズキっと不快な痛みが走る、 長い時間同じ姿勢を保てないという具合で、動作が不自由になることです。 ◆椅子からの立ち上がりにズキッと痛みが走る ◆あぐらをかこうとすると痛い ◆ドアにつかまらないと車の乗り降りができない |
末期の症状 |
安静時でも痛みが持続的になり日常生活が困難となります。 また、痛みの和らぐ姿勢が無く、動作における痛み以外にも、力が入らないといった障害が起こるため、 手すりや杖が常に必要とされます。 ◆仰向けで寝れない(痛みで) ◆起床時に痛い(動くとしばらくして良くなる) ◆壁に寄りかかる、つり革につかまること無しには立ち続けられない ◆びっこ引きながらの歩き方になる ◆うずくまるほど恥骨が痛くなることが頻発 |
原因について
一般的な見解
【先天的要因】 |
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先天的な股関節痛は、股関節そのものの不調が原因とされることが多いようです。 (大腿骨頭の変形、寛骨臼と呼ばれる股関節の骨盤側のくぼみが生まれつき浅いなど) |
【生活習慣によるもの】 |
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転倒や事故だけでなく、スポーツや習慣的に無理な姿勢で動いたりすることで、股関節をとりまく靭帯や、大腿骨につながる筋肉を痛めることが不調の根底にあるとされています。また、女性の場合は、産後の開いた骨盤がうまく閉じず股関節痛が痛みっ放しになったなど、仙腸関節や恥骨結合の機能不全が関わる股関節痛が多いように思えます。(しかも痛みは股関節にとどまらず、腰痛、骨盤痛、鼡径部痛、恥骨痛、尾てい骨の痛み、臀部(股関節後部)痛が併発し、なかなか痛みが治まらないことが多々あります。) |
当院の見解
【 股関節そのものに原因が見当たらない場合が多数 】 |
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一般的な股関節痛は、股関節がネジレる、大腿骨頭や靭帯に問題がある(レントゲンに映る)など、関節そのものに原因がある場合が多いのですが、歩行などで揺らすたびに痛む鼡径部(股関節の前部)痛を伴う股関節痛の場合は、開いた骨盤に加えて、図のピンク色の腰椎2番目と3番目の間の捻挫が隠れている場合が多く見受けられます。 |
腰椎捻挫で最初に痛いのは図の●の部分ですが、いったん治まった後の再発時に、腰ではなく、 突然鼠径部が痛くなって歩けなくなるというパターンが出現するか、だらだらと腰痛が続いた後に突然、鼠径部に激痛が走るパターンのどちらかが多い傾向を施術経験から割り出しています。
股関節が開かない、痛みがある場合の対策
まずは、チェックしてみよう!
(1)が2つ以上、(2)が3つ以上チェックのついた方は、次の項目チェックへ進んでください。 それ以外の方は、初期判定を確認しましょう。
上の無印4つのうち3つ以上にチェックがつく、または マークか、マークにチェックついた方は最終判定をご覧ください
脚は、寝てる時以外は、常に使う部位です。だからこそ股関節はめったなことでは壊れない構造をしています。それが壊れてしまうのですから、当然、激痛レベルの症状にもなれば、治らないどころか痛みすらなかなか引かないのは仕方がないことです。
そうはいっても、あまりにも辛くて、マッサージや電気治療を試したことのある方も少なくないのではないでしょうか。 ところが、その場では痛みが緩和されてもすぐにまたぶり返してしまうという体験談をよく聞きます。
それならと、病院へ行っても、“股関節はどこも悪くないですよ”、“すべり症ですね、でも手術するレベルではありません”と言われて終わってしまったり。
また、最近では、整形外科にかかればピタッと痛みが消える最新の神経薬を処方されることも多いようですが、 気軽に飲み続けると、薬をだんだん強いものに変えていかなければならなくなります。その結果、食欲を失くしたり、疲れやすくなるなど、体に不調が出る場合もあるようです。
日常生活に支障を来たすようにならないためにも、痛みがなかなか治らないと思った時点で施術にかかって悪化の予防に努めませんか?