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機器データからだけでは原因は見つからない?!

(7年前の当院ブログより抜粋)

7年前のニュースから、ヒアリングと可動性検査の意義を考えました。

「インフルエンザで5日間意識不明に?!」

どこの病院でも、熱が38度未満、簡易キットが陰性によって風邪との診断。 どうもおかしい、とお医者さんをはしごしているうちに容態が急変、 肺炎であっというまに意識不明に。 かつぎこまれた病院でもインフルエンザは陰性。 肺炎の薬もむなしく状態は悪化の一途をたどる。

ある時、医師がヒアリングでの疑問から 試しにインフルエンザの治療を行ったら、良くなったという。しかも、その後にでた遺伝子検査結果では陽性。熱と簡易検査キットだけで陰性が出ても、患者さんから詳しく話を聞くことが、見逃しを防ぐカギ、と報道していました。

「やっぱり、簡易検査だけを最終結果だと思ってちゃ危ないねぇ」とつぶやく奥さん。

私は私で、その報道からあるシーンを思い出していました。

まだ私が学校に通っていた頃、大変印象的だった「レントゲンを見て症状を推測する」という授業でのこと。先生が二枚のレントゲン画像を私たち学生に見せました。

一枚は、頚椎がガタガタにズレている80歳近い女性のもの。もう一枚はゆがみの無いきれいな背骨のレントゲン。

「二人の症状を推測しなさい」

ゆがみの無い方は全くの健康体。ガタガタにズレている女性については、思いつく限りの重病を挙げていきました。

どれかひとつくらい当たるだろう、、、、

私たちは回答をワクワクしていました。が、先生の答えは、意外なものでした。

「ガタガタにズレている女性は、どこにも症状がない全くの健康体。そして君たちが1秒で全くの健康体だと判定したまっすぐできれいな背骨の形をした人の症状は、頭から足まで痛みだらけ」

その答えを聞いた私は、驚きで頭が混乱しました。 画像が当てにならないなら、一体どうやって原因を探ればいいのだ・・・

どよめく生徒たちに先生はこう言いました。

「ズレているから、変形があるから、と症状が出てくるわけじゃあないのだよ。異常な動きをする、動くはずの関節が動かない、これが症状の原因となるのだから、当然、手での確認作業をしっかり行わなくては。

動くか、動かないかは、触ってでしか確認できないのだから」と。

「しかし、多くの場合は、画像は必要ないな。この世界は『問診8割』という言葉があって、 患者さんからのヒアリングだけで原因を特定するのが当たり前。 画像を見ないと先に進むことができない症状はわずかだから」

科学的根拠や体系化された技術も患者さんからのヒアリングと手の鋭い感覚をベースに置いてこそ、はじめて役に立つものだということでした。

この事実を知ってから、何でもかんでも機器が表示するデータから判断する考えを改め、患者さんからよく話を伺わせていただくようにし、手の感覚に頼る確かな検査を心がけ、わかりやすい説明に徹すること、それらがプレイズの施術方針の原点となりました。

手でのきめ細かな検査は、デジタル機器に比べると大変時間がかかるものですが、 症状解決への最も大切な糸口になると、現在でも確信しています。