交感神経型か副交感神経型か、どちらかの自律神経亢進が確定しつつあります。
(2)にチェックが多くつく場合は、慢性化に近づいてきている段階にいると考えられますので、施術による早めのリセットが回復のためのキーポイント。
自律神経の失調、パニック発作でやっかいとされることは、“神経の可塑性”が起こってしまうことです。
説明が難しい語句ですが、簡単に言えば、症状の発生が自動運転化されてしまうというところでしょうか?
症状を1つ持っていたとして、それが2つ3つに増える状態に発展するという意味ではなく、 初期の頃は、特定の場面でのストレスでしか発症しなかったのが、似たようなストレスなら何にでも反応するようになる、発症のスイッチが増え続けるというイメージです。スイッチが増え続ける、だから始終症状に悩まされるということです。
例えば、あなたは混雑した場所に行くとパニック発作が出るとしましょう。満員電車ではいつも発症するけど、同じ密度の混雑でもパーティー会場では一回も発症したことがない、が初期の段階とします。
それが、パーティ会場、通勤中人の列の後ろを歩いている時でも発症してしまう。つまり満員電車で受けるストレスと似たストレスになら何でも反応するようになります。それが“可塑性”の段階という感じです。
混雑した状態ならどの場面でも、さらに混雑に似た状態、例えば狭い空間、低気圧にも反応して発症してしまうという具合でしょうか。
狭い空間でもなく混雑もない、晴れた広い場所なのに過呼吸、めまいに見舞われた。台風が近づいていたからだったのですが、低気圧の時は圧縮された空気が体を押さえつけますから、混雑と同じ状況という身体の解釈となるので発症のスイッチになり得たというわけです。
このような“可塑性の”段階に入れば、リセットして正常なバランスに戻す薬物療法は今のところないと思われます。
基本は、症状を鎮める処方が処置の中心となり、根本的に改善させることから遠く離れてしまいますので、特定の場面、ストレスで発症しているうちに早めに対処する方が良いでしょう。